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生命保険料に影響する?「予定利率」の仕組みとは

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「予定利率」とは

生命保険会社は、生命保険の契約者から集めた生命保険料を積み立てておき、将来保険金を支払うために備えています。このお金を「責任準備金」といいます。

ただ積み立てているわけではなく、責任準備金を資産運用することで契約者に有利になるように増やしています。「予定利率」とは生命保険の契約者に約束する運用の利回りのことです。運用は株式、債券、不動産などさまざまな方法で行われています。

予定利率が生命保険料にどう影響するのか

生命保険料の金額に影響しているのは「予定利率」だけではありません。「予定利率」と「予定死亡率」、「予定事業費率」の3つから決定されています。この3つのことを「予定基礎率」と呼びます。

 予定利率とは保険料を決める大事な要素の一つ

予定利率とは、保険会社が保険料を計算するときに用いる基礎率の一つです。保険料は、『予定利率』と『予定事業費率』と『予定死亡利率』という3つの基礎率から成り立っています。

簡単に解説すると以下のようになります。

  • 予定利率=契約者に約束する運用利回り
  • 予定死亡率=『死亡』などの事由で発生する保険金を支払うための数値
  • 予定事業費率=保険会社の運営にかかる事業費を数値にしたもの

例えば飲食店に置き換えると、、、

  • 予定利率=投資で得る予定の運用益
  • 予定死亡率=食材
  • 予定事業費率=人件費やテナント代や広告費

となります。

このように予定利率は保険会社が保険料を決定するときの重要な要素の一つとなります。

予定利率については主に以下の3つを押さえておいてください。

  1. 予定利率=契約者に約束する運用利回り
  2. 予定利率が高い=返戻率が高い
  3. 予定利率が高い=保険料が安い

それでは順番に詳しく解説していきます。

予定利率=契約者に約束する運用利回り

予定利率とは、生命保険の契約者に対して約束する運用利回りのことです。たとえば、A生命という会社の一時払いの終身保険(保険料100万円)は予定利率1%で10年後に解約すると105万円になって返ってくる商品だと仮定します。

すると、このA生命は予定利率1%で生命保険の保険料を運用し続けるという義務を負うことになります。たとえ、その後の運用がうまく行かなくとも必ず約束した内容で保険金をお支払することになります。

ただし、ここで勘違いをしやすいのは、予定利率=金利だと考えてしまうことです。

予定利率1%と金利1%は全く違います。

例)A社 一時払い終身保険 一時払い保険料100万円

たとえば、A生命の終身保険は10年で、払込保険料を解約返戻金が5万円上回っています。つまり10年で5万円増えたので、1年で5000円お金が増えたと考えると

となります。

この計算からもわかるように、予定利率=金利ではないということです。

「銀行の定期預金の金利は0.3%(複利)で、生命保険の予定利率は1%だから生命保険で貯金したほうがお得!?」と簡単に判断しないようにしましょう。

たとえば、5年後の解約返戻金は100.5万円なので、5年で5000円しか増えておりません。1年で1000円お金が増えたという考え方をすると、年利0.1%(単利)。銀行の金利0.3%(複利)より低いので、予定利率が1%でも早期に解約する場合は、銀行の定期預金の方が、お金が増えるということがわかります。

予定利率が高い=返戻率が高い

前節で、契約者に約束する運用利回りという話はしましたが、予定利率が高ければ高いほど、返戻率は上がっていきます。

これは単純な話ですが、予定利率は生命保険の契約者に対して約束する運用利回りのことですから、運用利回りが高ければ高いほど、解約返戻金は運用されて増えていくので、返戻率が上がります。

よって、1980年から1992年の予定利率は5~6%あり、現在は約1%で今に比べると5~6倍の予定利率の高さでした。よって昔に加入した貯蓄タイプの保険は現在の保険に比べてとてもお金が増えて魅力的だったのです。よって、予定利率の高い保険は、よく『お宝保険』と呼ばれています。

予定利率が高い=保険料が安い

予定利率が高いほど保険料が割安になります。

これは単純な計算になってしまいますが、運用で見込める利益はしっかりと保険料の割引という形で還元しますということです。これは掛け捨ての定期保険などでも同じことが言えます。

予定利率が高い⇒運用で利益を発生させる見込みがある⇒その分保険料が割り引かれる。

予定利率が高いと保険料が安くなり、よって貯蓄タイプの保険では返戻率が高くなるのです。

掛け捨て型の生命保険は影響が小さい

「予定利率」が引き下げられたとき、掛け捨て型といわれる定期保険にも影響は少ないです。なぜなら、解約払戻金もほとんどないため、責任準備金は少なくて済み、そのため、保険料が低く設定されていて、影響が少なくなるのです。

まとめ

「予定利率」とは生命保険会社が契約者に約束する運用利回りのことです。「予定利率」、予定死亡率などが変動することによって生命保険料が変動します。もし、「予定利率」や予定死亡率が変わるといったニュースを耳にした場合は、保険契約のタイミングによって生命保険料が変動するケースがあるため注意しましょう。